- 金融業界から他業界の営業職に転職したい
- 金融業界から他業界営業職への転職難易度が知りたい
- 金融業界出身者と相性のよい営業職・会社を知りたい
「金融業界から他業界の営業職に転職できるのか」「金融業界で培ったスキルは、他業界でも評価されるのか」と悩んでいる人は多いのではないだろうか。
結論からいえば、金融業界から他業界の営業職への転職は十分に狙える。ただし、単に「金融業界で営業をしていた」と伝えるだけでは不十分だ。
評価されやすいのは、営業実績そのものだけでなく、実績を出すまでの考え方や行動を再現性のある形で説明できる人である。
本記事では、金融業界から他業界の営業職に転職するメリット、転職難易度、活かせるスキル・資格、相性のよい転職先、転職活動を成功させるポイントを解説する。
年収や働き方については、転職先によって大きく変わる。良い面だけでなく注意点も確認しながら、自分に合う転職先を見極めてほしい。
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金融業界から他業界の営業職に転職するメリット|年収・商材・働き方の変化を確認しよう
金融業界から他業界の営業職に転職する主なメリットは、以下の4つである。
- 扱う商材や顧客層が変わり、営業スキルの幅が広がる
- 成果報酬型の会社では、年収アップを狙える可能性がある
- 経営者・富裕層・他業界の担当者など、新たなネットワークを作れる
- 出社頻度や評価制度など、働き方を見直すきっかけになる
ただし、転職すれば必ず年収や労働環境が改善するわけではない。メリットとあわせて、確認すべき点も押さえておこう。
扱う商材や顧客層が変わり、営業スキルの幅が広がる
金融業界から他業界の営業職へ転職すると、扱う商材や顧客層が変わる。
金融商品は、リスク説明や法令遵守、長期的な信頼関係が重視される。一方で、他業界では有形商材・無形商材、法人営業・個人営業、新規開拓・ルート営業・反響営業など、営業スタイルが大きく異なる場合がある。
たとえば法人向けのITサービス営業であれば、相手企業の業務課題を理解し、導入後の費用対効果まで説明する必要がある。不動産営業であれば、物件の特徴だけでなく、資金計画や契約手続きへの理解も求められる。
そのため、他業界へ転職すると、顧客分析・提案資料の作成・商談設計・社内外の関係者調整など、金融営業とは異なるスキルを磨きやすい。
ただし、転職しただけで営業力が上がるわけではない。新しい商材知識を学び、過去の成功パターンをそのまま持ち込まず、転職先の顧客に合わせて営業方法を変えられるかが重要である。
成果報酬型の営業職では、年収アップを狙える可能性がある
金融業界から他業界の営業職へ転職することで、年収アップを狙える可能性もある。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、転職入職者のうち、前職より賃金が「増加」した割合は40.5%、「減少」した割合は29.4%、「変わらない」割合は28.4%だった。また、「1割以上の増加」は29.4%となっている。
つまり、転職によって賃金が上がった人は一定数いるものの、下がった人も少なくない。年収アップを狙う場合は、業界名だけで判断せず、報酬制度を具体的に確認する必要がある。
特にM&A仲介会社や一部の不動産会社など、成果に応じたインセンティブ比率が高い営業職では、実績次第で大きく年収が上がる可能性がある。
一方で、固定給が低めに設定されていたり、入社後すぐに成果が出ない期間の収入が不安定になったりするケースもある。求人票や面談では、以下を確認しておきたい。
- 固定給とインセンティブの割合
- インセンティブが発生する条件
- 入社初年度の保証給や最低年収
- 成果未達時の評価や配置転換の有無
- 平均年収ではなく、同年代・同職種の年収レンジ
経営者・富裕層・他業界の担当者とのネットワークが広がる
他業界の営業職へ転職すると、金融業界では接点が少なかった顧客や取引先と関係を築ける。
たとえばM&A仲介会社では、オーナー経営者、買い手企業、士業、金融機関などとの接点が増える。不動産会社では、富裕層、法人オーナー、デベロッパー、管理会社、金融機関などと関わる機会がある。
こうした人脈は、将来的にマネジメント職を目指す場合や、独立・起業を考えている場合にも役立つ可能性がある。
ただし、ネットワークは「転職すれば自然に増えるもの」ではない。顧客に価値ある情報を提供し、信頼関係を積み上げる姿勢が前提となる。
働き方を見直すきっかけになる|リモート可否は業界名だけで判断しない
他業界への転職は、出社頻度・残業時間・休日・評価制度など、働き方を見直すきっかけにもなる。
ただし、「金融業界はリモートワークが少なく、他業界ならリモートワークしやすい」と単純に考えるのは避けたい。
国土交通省の令和7年度テレワーク人口実態調査では、雇用型テレワーカーの割合は全国で25.2%だった。業種別では、情報通信業が74.1%、学術研究・専門技術サービス業が54.0%、金融・保険業が42.5%、不動産業が35.1%となっている。
金融・保険業でも一定割合のテレワーク経験者がいる一方、M&A仲介や不動産営業のように、重要商談・現地確認・契約手続きなどで対面対応が求められる職種もある。
労働環境を改善したい場合は、求人票や面談で以下を確認しよう。
- リモートワークの有無だけでなく、週何日利用できるか
- 顧客対応による夜間・休日対応の頻度
- 平均残業時間と繁忙期の働き方
- 営業目標の設定方法と評価制度
- 入社後の研修や同行体制
転職先によっては、年収が上がる代わりに成果プレッシャーや顧客対応時間が増えることもある。自分が重視したい条件を事前に整理しておくことが大切だ。
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金融業界から他業界営業職への転職難易度|評価されるのは資格より実績の再現性
金融業界から他業界営業職への転職は、決して簡単とはいえない。転職先の業界知識や商材理解を新たに身につける必要があるためだ。
一方で、金融業界で培った営業経験は、他業界でも活かしやすい。特に、高単価商材の提案、顧客との長期的な関係構築、リスク説明、数字目標への取り組みは評価されやすい。
ここでは、以下3点について解説する。
- 営業職に求められる人物像
- 他業界営業職に必要な資格・スキル
- 金融出身者が他業界営業職への転職で活かせるスキル・資格
営業職に求められる人物像は「成果を再現できる人」
営業職で評価されるのは、単に「売れた人」ではなく、「なぜ売れたのかを説明でき、別の環境でも成果を再現できそうな人」である。
面接では、以下のような点を見られやすい。
- どのような顧客を重点的に開拓したのか
- 顧客の課題をどのように把握したのか
- 提案前にどのような仮説を立てたのか
- 失注や未達の原因をどう振り返ったのか
- 改善行動によって、どの数字が変わったのか
計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)を自分で回せる人は、業界が変わっても成果を出せる可能性が高いと判断されやすい。
同じ営業職でも、法人営業・個人営業・代理店営業・ホールセール※など、職種によって求められる動き方は異なる。
- 金融商品を扱う会社や販売担当者に対して、商品知識の研修、販売支援、提案同行などを行う職種を指す場合がある
そのため、応募先の営業スタイルを調べたうえで、自分の経験がどのように活かせるのかを言語化しておくことが重要だ。
他業界営業職に必要なスキルと資格|必須資格は業界によって異なる
他業界の営業職に転職する際、まず求められるのは以下のスキルである。
- 顧客の課題を聞き出すコミュニケーション力
- 価格・条件・導入時期などを調整する交渉力
- 新しい商材や業界知識を吸収する学習意欲
営業では、顧客が抱えている課題を正しく把握し、その課題を解決できる提案を行う必要がある。そのため、話す力だけでなく、聞く力や仮説を立てる力も重要だ。
また、成約に至るまでには、価格、導入時期、契約条件、社内稟議など、さまざまな調整が発生する。金融業界で培った丁寧な説明力やリスク説明の経験は、他業界でも活かしやすい。
資格については、すべての営業職に共通して必須となる資格は少ない。評価される資格は、転職先の業界や営業先によって変わる。
| 転職先の例 | 関連する資格・知識 | 評価されやすい理由・注意点 |
|---|---|---|
| M&A仲介会社・コンサルティング会社 | 中小企業診断士、事業承継・M&A関連資格 | 経営課題や事業承継への理解を示しやすい。 ただし、資格だけでなく営業実績や経営者対応力も重視される。 |
| 不動産会社 | 宅地建物取引士 | 宅建業では事務所に従業者5人に1人の割合で専任の宅地建物取引士を置く必要があるため、評価材料になりやすい。 |
| 富裕層向け営業 | CFP®、FP技能士、相続・税務・不動産の基礎知識 | 資産形成・相続・保険・不動産などを横断的に理解していることを示しやすい。 ただし、税務判断は専門家確認が必要。 |
資格はあくまで補強材料である。転職活動では、資格の有無よりも「どの顧客に、どのような提案を行い、どのような成果を出したのか」を具体的に伝えることが重要だ。
金融出身者が他業界営業職への転職で活かせるスキル・資格
金融業界出身者が他業界営業職への転職で活かしやすいのは、以下の経験である。
- 高単価・無形商材を提案してきた経験
- 顧客の資産状況や経営状況を踏まえて提案した経験
- リスクやデメリットを説明しながら信頼関係を築いた経験
- 目標達成率や収益目標を追いながら営業改善を行った経験
- 経営者・富裕層・法人担当者と長期的に関係を築いた経験
特に、金融業界の営業では「顧客にとって分かりにくい商品を、リスクも含めて説明する力」が求められる。この経験は、M&A、不動産、SaaS、コンサルティング、人材、保険など、無形商材や高単価商材の営業でも活かしやすい。
職務経歴書や面接では、以下のような数字を整理しておくとよい。
- 年間収益や手数料収入
- 目標達成率
- 支店・部門内での順位
- 新規開拓件数
- 既存顧客の深耕実績
- 紹介獲得件数
- 担当顧客の属性や規模
「金融商品を販売していた」という説明だけでは、他業界の採用担当者に強みが伝わりにくい。数字と行動をセットで整理し、応募先の営業職でどのように再現できるかまで伝えることが大切だ。
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金融業界出身者と相性のよい営業職・会社
金融業界から他業界の営業職へ転職する場合、相性のよい候補として以下が挙げられる。
- M&A仲介会社
- 富裕層向け不動産会社
どちらも、経営者や富裕層と向き合う機会が多く、金融業界で培った提案力や信頼構築力を活かしやすい。
一方で、成果へのプレッシャーや専門知識の習得負荷も大きい。年収だけで判断せず、自分の営業スタイルや働き方に合うかを確認しよう。
| 転職先候補 | 向いている人 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| M&A仲介会社 | 経営者向け営業に挑戦したい人、成果報酬型で年収アップを狙いたい人 | 研修体制、担当範囲、インセンティブ条件、案件獲得方法、労働時間 |
| 富裕層向け不動産会社 | 資産形成・相続・法人資産の提案に関心がある人 | 宅建士の必要性、土日対応、現地案内の頻度、商品リスク、税務専門家との連携 |
M&A仲介会社|金融営業の経験を経営者向け提案に活かしやすい
M&A仲介会社とは、会社や事業の譲渡・譲受に関する相談、相手先探し、条件調整、契約手続きなどを支援する会社である。
中小企業庁の中小M&Aガイドラインでも、M&A専門業者として仲介者やFA(フィナンシャル・アドバイザー)に関する説明や留意点が整理されている。近年は、中小企業の事業承継ニーズを背景に、M&A専門業者への関心も高まっている。
M&A仲介会社の営業では、経営者の悩みを聞き出し、会社の将来や従業員の雇用、譲渡条件など、重要な意思決定に関わることが多い。そのため、金融業界で経営者や法人オーナーと向き合ってきた経験は活かしやすい。
年収面でも、成果報酬型の設計により高年収を実現している会社がある。たとえば、M&Aキャピタルパートナーズの2025年9月期有価証券報告書では、提出会社の平均年間給与は2,265.8万円とされている。また、M&A総合研究所の採用サイトでは、平均年収2,800万円超と公表されている。
ただし、これらは会社全体または特定条件の平均であり、入社初年度の年収を保証するものではない。高い成果を求められる職種であるため、応募前に報酬制度、教育体制、担当案件の獲得方法、目標設定を確認しておくべきだ。
富裕層向け不動産会社|資産形成・相続の提案に金融知識を活かせる
不動産会社には、個人向け住宅販売、投資用不動産、収益物件、商業施設開発、不動産管理など、さまざまな領域がある。
金融業界出身者と相性がよいのは、富裕層や法人オーナー向けに不動産を提案する営業職である。資産形成、相続、法人資産の見直し、不動産を活用した長期的な資産設計など、金融知識を活かせる場面が多い。
特に、銀行・証券・保険などで富裕層や法人顧客を担当していた人は、顧客の資産背景やリスク許容度を踏まえた提案経験をアピールしやすい。
不動産業界では、宅地建物取引士の資格が評価されることがある。宅建業の事務所では、従業者5人に1人の割合で専任の宅地建物取引士を置く必要があるためだ。
一方で、不動産営業は土日対応、現地案内、契約前後の細かな手続きが発生しやすい。高いインセンティブを狙える会社もあるが、働き方や商品リスクを確認してから応募を検討しよう。
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金融業界から他業界営業職への転職を成功させるには
金融業界から他業界営業職への転職を成功させるためには、営業実績の棚卸し、応募先に合わせた自己PR、面接対策が欠かせない。
ここでは、以下3点について解説する。
- 面接対策のポイント
- 自己PR・職務経歴書作成の重要性
- 金融業界の転職に詳しいエージェントへの相談
面接対策のポイント|数字・行動・再現性をセットで伝える
営業職への転職面接では、自分が残した営業実績をもとに、どのような行動で成果を出したのかを説明できるようにしておく必要がある。
自己PRでは、以下の3点を整理しておこう。
- 具体的にどれほどの年間収益や目標達成率を出したのか
- 営業実績を残すために、どのような計画を立て実行したのか
- 営業活動をどのように振り返り、改善していたのか
たとえば、「年間収益を前年比120%に伸ばした」と伝えるだけでは不十分である。どの顧客層に注力したのか、どのような提案を増やしたのか、どのように失注要因を改善したのかまで説明できると、再現性が伝わりやすい。
また、現実性に欠ける数字を出すのは避けたい。
たとえば、「毎日200件の営業電話をかけた」「毎日100件の飛び込み営業をした」といった表現は、勤務時間や商談準備時間との整合性を面接官に確認される可能性がある。
無理に数字を大きく見せるよりも、実際に行った行動、改善した点、成果につながった理由を具体的に話す方が評価されやすい。
面接前には、以下のように経験を整理しておこう。
- 担当していた顧客層
- 扱っていた商品やサービス
- 目標と実績
- 成果を出すために工夫したこと
- 失敗や未達から改善したこと
- 応募先で活かせる経験
自己PR・職務経歴書作成の重要性
自己PRは、面接だけでなく履歴書や職務経歴書にも必要となる。特に営業職の転職では、職務経歴書で「営業実績」と「成果を出したプロセス」を分かりやすく示すことが重要だ。
採用担当者が最初に確認するのは、履歴書や職務経歴書である。書類選考を通過するには、限られた紙面で自分の強みを具体的に伝えなければならない。
職務経歴書では、以下の順番で整理すると伝わりやすい。
- 担当業務:誰に、何を提案していたのか
- 実績:年間収益、目標達成率、順位、新規開拓件数など
- 工夫:成果につながった行動や改善策
- 再現性:応募先の営業職でどのように活かせるか
たとえば、以下のように書くと、単なる実績紹介ではなく、採用担当者が再現性を判断しやすくなる。
法人オーナー向けに資産運用・保険・融資関連の提案を担当。既存顧客の決算情報や資産背景をもとに提案先を分類し、相続・事業承継ニーズのある顧客への面談数を増やした結果、年間収益は前年比〇%、目標達成率は〇%となった。
なお、金融業界での成果は、他業界の採用担当者にそのまま伝わるとは限らない。専門用語を使いすぎず、異業界の人にも分かる言葉に置き換えることを意識しよう。
金融業界の転職に詳しいエージェントへの相談
金融業界から他業界の営業職に転職したい場合、自分の経験がどの業界で評価されやすいのかを把握する必要がある。
同じ営業職でも、M&A仲介、不動産、SaaS、人材、コンサルティングでは、求められる顧客対応力や成果指標が異なる。求人票だけでは、報酬制度や営業スタイル、教育体制が分かりにくいこともある。
そのため、金融業界出身者の転職に詳しい転職エージェントに相談し、職務経歴書の見せ方や応募先の選び方について客観的な意見をもらうのも選択肢の一つである。
アドバイザーナビが運営する「金融転職」は、金融業界出身者向けの転職支援サービスである。公式サイトでは、金融業界出身の転職エージェントが書類選考や面接対策などをサポートし、無料で相談できると案内されている。
すぐに転職するか迷っている場合でも、まずは自分の経験がどの業界で評価されるのか、年収や働き方の希望が現実的かを確認しておくと、転職活動の判断材料を増やせる。
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出典
厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況|3 転職入職者の状況」(公開日:2025年8月26日)
国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査」(公表日:2026年3月24日)
厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「営業の仕事」
中小企業庁「中小M&Aガイドライン」(改訂日:2024年8月30日)
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社「有価証券報告書 第20期」(提出日:2025年12月24日)
M&A総合研究所「採用特設サイト」
国土交通省「宅地建物取引の免許について」
一般社団法人金融財政事情研究会「事業承継・M&A」
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